花札の歴史や特徴とルールについて

日本の伝統的なゲームといえる花札は、いわゆるかるたの一種に分類されるカードゲームで、四季の花が絵柄に用いられているのが特徴です。
1組48枚、12ヶ月分の花が4枚ずつ構成されており、決まった絵柄を揃えて役を作るのがゲームの目的となります。

日本におけるカードゲームの歴史

日本におけるカードゲームの歴史は安土桃山時代にまで遡り、宣教師によって宗教と一緒に伝えられたとされています。
かるたはポルトガル語に由来する言葉で、1500年代には国内で独自のかるたが作られました。
当時のかるたは消失して現存していませんが、札が1枚だけ残っており、初期のかるたを知ることができます。
かるたが本格的に流通したのは江戸時代の頃で、賭博のゲーム性と相まって瞬く間に伝わり広まって定着しました。
花札が誕生したのは18世紀後半で、かるた禁制が厳しくなり従来のかるだができなくなることから、制度の抜け道として考案されたものです。
その花札も結局は見つかり禁止になりましたが、明治時代に入って解禁され、銀座の上方屋がルールブックを発売したのを切っ掛けに、庶民の間で大流行しました。
長らく庶民のゲームとして親しまれてきたものの、娯楽の充実とテレビゲーム、スマホゲームの台頭によってプレイ人口は減っています。
商品の需要も低下した結果、製造を手掛けるメーカーは少なくなっていて、文化の衰退が顕著に表れている格好だといえるでしょう。
しかしあの世界的なゲームメーカーの任天堂も製造を続けていますし、自社キャラクターを用いた独自の商品も販売しているので、完全に文化が消滅する心配はないです。
とはいえルールを知らない人が増えるとプレイ人口は更に減少してしまいますから、ルールを覚えてゲームに挑戦してみたり、文化を守り伝えることを考えたいところです。

花札の定番こいこい

花札の定番こいこいは、基本的に1対1の2人で遊ぶルールで、裏向きにした札から1枚ずつめくって親を決めます。
親は先に月が早く出た方で、親が子の手札を裏向きに配り、次に場に表向きに配って最後に自身の手札を表向きに配ります。
配る札は2枚ずつで、各手札が8枚と場に8枚が置かれる状態にします。
じゃんけんやサイコロを振って親を決める方法もありますが、伝統的に雰囲気を大切に楽しむなら1枚ずつめくっていくのが賢明です。
札が配り終わったら親子の順で手札を1枚場に出して、同じ月の札が出たら合札、なければ捨札とします。
次に山札から1枚めくって、同様に月の揃いで合札か捨札を判断します。
合札は自らの札になりますから、表向きにして並べ置きましょう。
手札がなくなるまでこの繰り返しですが、出来役が完成するとプレイを止めることができます。
勝負を継続することも可能ですが、いずれにしても役で勝負して勝利した方が次の親となります。
花札は先手が有利なゲームなので、先手が取れる親に優位性があるといえます。
手札がなくなるまでプレイして親子のどちらも役が完成しなかった場合は、ノーゲームとして親子の交代です。
出来役が形になって更に上の役が目指せる時は、こいこいと宣言してゲームを続行できます。
ここで相手が上回る役を作った場合は逆転となり、しかも得点が倍になるので勝負に緊張感が生まれます。

得点の計算について

ルールはこのように思いの外簡単ですし、出来役を早く作り上げた方が勝ちやすいので、ゲームの目的も楽しみ方も明確です。
最後に得点の計算を行いますが、7点以上になったら倍の得点として計算します。
ゲームを12回戦繰り返して、最終的に多くの合計点を獲得した人が勝者となります。
札を配り終わって最初の手札で役が既に完成している場合は、得点を獲得して次の回に進みます。
ちなみに菊に盃はトランプのジョーカーのような札で、10点としてもカスとしても通用します。
一般的な花札の出来役は12種類で、それぞれに1点から10点までの点数が設定されます。
特定の札が存在すれば点数が加算されることもありますから、10点以上の特定を狙うことも可能です。
初心者はまずこの役を覚える必要がありますし、覚えなくてはいけないのが心理的なハードルになるので、一覧を印刷して手元に置いておくのがおすすめです。

絵柄のテーマは花鳥風月

絵柄に何が描かれているかを意識して見ると、絵の内容の意味が分かって理解が早まります。
絵柄のテーマは花鳥風月で、日本の1年分の風景を12ヶ月に分けて表現しているのがポイントです。
札の絵柄は独自のデザインを採用している製品でない限り、構図が似ているので一度札や役を覚えてしまえば、使う札が変わっても問題なくプレイできます。
今はスマホアプリでも遊べる時代ですし、初心者はコンピュータを相手にルールを覚えられるので、一緒に遊んだり教えてもらえる人が身近に見つからなくても大丈夫です。
遊び方が分かると楽しさも理解できますし、誰かと分かち合いたくなれば遊び方を教えてプレイ人口を増やせます。
お正月にもってこいの遊びですし、世代を超えて遊べる魅力がありますから、経験したことがない人には一度プレイしてみることをおすすめします。